今回は「金属屋根の特徴」について紹介していきたいと思います。
まず、金属屋根は五種類存在します。
一つ目は、トタン屋根。正式名称は亜鉛めっき鋼板葺きといい、1950年代に多く施工されました。その特徴として、耐震性が高いにも関わらず、とても軽いことが挙げられます。耐熱には弱いですが、その代わりに積雪にも強く、北海道といった雪国ではよく使用されている屋根でもあります。継ぎ目がない加工が施されているため、積雪や雨による雨漏りの心配はありません。しかし、防音性に関しては問題があり、雨音などがダイレクトに入ってきてしまうことが問題として挙げられます。また、屋根の中でも安価なため、工場や倉庫といった大きな施設の屋根も、このトタン屋根であることが多いです。
二つ目は、ガルバリウム屋根。アルミと亜鉛で構成された鋼板を使用しており、前述したトタン屋根の何倍もの耐久性と熱反射性を保持しています。塗装が容易に行えるので、様々な色合いにすることができます。そのデザインの豊富さや地震への強さから、一般住宅の屋根もこのガルバリウム屋根であることが多いです。
三つ目は、ステンレス屋根。他の金属屋根と比べて、価格はかなり高いですが、その代わりに耐久性や耐食性に特化しています。その強度から、重要な家屋にこのステンレス屋根が使われることがあります。金属屋根の特徴として、防音性にかけるという点が挙げられます。そしてこのステンレス屋根が、その代表ともいえます。しかし、定期的なメンテナンスを行うことによって、耐久性がぐんと高まるのもこのステンレス屋根の魅力といえるでしょう。塗装メンテナンスを怠らないことで、屋根の工事を避けるという意図もあります。
四つ目は、銅屋根。銅板は、前述したステンレス屋根でも言われていた、定期的なメンテナンスがほぼ必要ない点が魅力的です。メンテナンスを行わなくとも、ある程度の耐久性を持っているため、メンテナンスを行う手間が嫌な方にはおすすめできる金属屋根です。しかし、加工性が高いがために、雨漏りの問題が発生しやすいです。そしてそこから酸化してしまい、色が変わってしまう恐れがあります。そうなった場合は塗り替え工事を行う必要があります。
五つ目は、チタン屋根。チタン屋根に使用されているチタン板は、軽い上に高い強度を誇る、素晴らしい素材でもあります。金属屋根の中でも耐久性の高さはトップクラスで、物がぶつかっても変形しないほどの強度があります。その強度から、形が変形しづらく、加工することが難しいというのもポイントの一つです。その特徴から、デザインが少なかったり、高価であることがデメリットではありますが、その耐久性の高さには目を見張るものがあります。
そして、金属屋根は葺き工法も四種類存在します。
一つ目は、瓦棒葺き。瓦棒葺きとは、瓦棒心木というものを継目として、長い金属板を組み合わせて行う工法です。この工法は一般的な金属屋根で取り入れられており、一番メジャーな工法としても知られています。説明の通り、施工方法が他と比べて単純なため、工事がとてもしやすいという点がメリットとして挙げられます。雨漏りに強く、一般住宅の屋根は大抵この瓦棒葺きで行われています。
二つ目は、立はぜ葺き。長い金属板を配置した上で、端にあるはぜ同士を締め付けて組み合わせて行う工法です。一見した姿としては、瓦棒葺きと似ているのがポイントです。すべての素材を金属で構成しているため、腐るなどといった心配をする必要がありません。そのため、メンテナンスに余計な気を遣うことがなくなります。また、この工法だと加工がしやすく、ドーム型やアーチ型といったユニークな屋根にすることができます。
三つ目は、平葺き。小単位の金属板を重ねることにより、多方面に曲げられたはぜを使って金属板を組み合わせる工法です。金属板の場合は、波板や瓦棒といったものを使用せずに、全面を平坦に葺き上げます。平葺きの中にも、一文字葺きや菱葺きなどといった種類に分かれていて、それぞれ特徴があります。
四つ目は、折板葺き。波型になるように加工された金属板によって、平坦に屋根を敷く工法です。強度が高く、工場や倉庫といった、大きな鉄骨の施設の屋根に使われることが多くあります。金属屋根は、種類にもよりますが、気軽に加工することができるためにデザイン性が高く、塗装も容易に行うことができます。その加工性から、個性的な屋根を生み出すことも可能です。しかし、伝導率が高い特徴から断熱性能が低く、家の中に熱がこもりやすいというデメリットもあります。このデメリットを補うために、様々な工法やテクニックが作り出されています。仮に金属屋根を使用する場合は、そういった面も調べておいたほうが良いでしょう。
最後に、金属屋根を使用する際に忘れていけないのは、その防音性の低さです。屋根にぶつかる雨音がダイレクトに家の中に入り込むため、敏感な人には合わない屋根ともいえるでしょう。制振材を使用するなどといった工夫をすることによって、遮音性を補うことができます。しかし、あえて対策をせずに雨音を楽しむ方もいます。個人で楽しみ方が異なるという点も、金属屋根の魅力といえます。